自動運転技術について

現在、様々な企業が取り組んでいる技術に自動運転技術があります。
自動車の革命児として知られるテスラ(電気自動車:EV、自動運転)や、日本の各自動車メーカーはもちろん、IT企業であるGoogleやApple、他にもUverなど有名企業が取り組んでいるので、知っている方も多いと思います。

さらには「世界長者番付2018」で首位になったジェフベゾスがCEOを務め、今年(2018年)には時価総額で世界2位になるなどノッテいるAmazonも自動運転を狙っています。

 ジェフ・ベゾスの次の野望は「アマゾン・カー」の実現だった

ECによる物流から完全自動運転を実現させる方向に向かうのは自然なことですし、「Alexa」など音声認識を利用して、自動運転をアシストすることも狙えます。

これほど様々な企業が行っている自動運転とは、どういったものか、またどのような技術が使われ、安全性はどうなっているのか、簡単に説明します。

 

自動運転レベル

まず自動運転というと、どのような想像をするでしょうか?
自動運転をテストしているなど、ニュースで騒がれたりしていますが、自動運転にはレベル0-5まであり、おそらく多くの方が想像する自動運転はレベル3からになります。

「レベル0」
ドライバーが全て運転します。
普通の車のことです。

「レベル1」運転支援
・ステアリング(乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置)の補正
 ⇒ 車線の逸脱時、もしくは車線変更での車検知時
・スピード調整
 ⇒ 先行者との距離感覚
どちらか一つを支援する状態です。

「レベル2」運転支援
レベル1を両方とも支援する状態です。
現時点で公道最高水準の運転支援技術となっており、既にいくつかのメーカーからこの技術が搭載されたモデルが発売されています。

「レベル3」自動運転
特定の場所での運転が全て自動
ただし、緊急時やシステム作動困難時はドライバーが運転(運転席にいる必要あり)

「レベル4」自動運転
特定の場所での運転が全て自動、緊急時なども自動
ドライバーが操作することはない

「レベル5」自動運転
あらゆる場所で運転が全て自動
もはや操作一切不要なため、ハンドルやアクセルなども不要
車というデザインそのものが変わる可能性があります。

 

自動運転技術

自動運転を実現させるためには様々な技術が使われています。その中ではバズワードとして今ではよく聞くAIをはじめ、色々あります。その中でいくつか、簡単に説明します。

「センサー技術」
自動運転ではLiDAR(Light Detection and Ranging)という光の検出とレンジによって、車とその周辺の物体の距離を把握することができます。
レーダーを応用したもので、電磁波を光の波長にしたものになります。Time-of-Flight (ToF)で時間を計測しています。

現在、シリコンを使った950nm波長(安価)とガリウムヒ素を使った1550nm波長のレーザーがあり、有名どころのVelodyneや大半のメーカーは950nmで、トヨタが一部出資するLuminarは1550nmのレーザーを使っています。シリコンを使う950nmの方が安価だが、技術的に自動運転に必要なレベルに到達出来るのか不安視されている状態です。
またVelodyneは200mのレンジがあるとされていますが、白のように反射率の良いものであって、黒のように反射率の悪いものは見えません。

GoogleはVelodyne製を使用していましたが、最近は自社開発に方向転換しました。

まだまだ発展が望まれるLiDARですが、技術の詳細は下記を参考にしてください。

 いまさら聞けないライダー(Lidar)入門

イメージは下記動画を参考にしてください。

 

 

「ダイナミックマップ」
静的な高精度3次元地図に、渋滞情報や事故などの動的な情報を組み合わせたデジタル地図のことをダイナミックマップといい、これと上記のようなセンサー技術を合わせることで正確な位置の把握や負荷を分散させ、自動運転の現実を目指します。

2016年6月には、三菱電機株式、ゼンリン、パスコ、アイサンテクノロジー、インクリメント・ピー、トヨタマップマスター、いすゞ、スズキ、トヨタ、日産、日野、富士重工業、本田技研、マツダ、三菱自動車が、「ダイナミックマップ基盤企画株式会社」を設立しています。

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(戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)資料より)

ただ、どうしてもタイムラグが出てしまう欠点はあります。
そのため、これを使用しないで自動運転の実現を目指している企業もあり、下記で説明します。

 

「画像認識技術」
AIなどもあって画像の識別、認識の精度は上がっています。
AIは学習することで、より精度をあげることができます。自動運転技術においてGANを利用して、精度を上げようとしている「Ascent Robotics」という日本の企業があります。この企業はダイナミックマップなしで自動運転実現を目指しています。

詳細は下記記事に記載しましたので、興味があればご覧ください。

 GAN(敵対的生成ネットワーク)とは

 

自動運転の安全性

自動運転では既に死亡事故が起きています。
まず米国初の死亡事故を起こしたテスラですが、こちらは運転者がハンドルに手を添えるようにという警告を7回、37分間無視した結果、起きた事故でした。このことを受けて、テスラは警告を無視した場合、オートパイロットを無効にするようにアップデートしました。

 テスラ車の「自動運転による米国初の死亡事故」、その詳細が判明

 ただ最近の死亡事故ではオートパイロットにも関わらず、運転者のせいにしたことで批判が上がっています。

 米テスラに批判集まる-死亡事故は運転手の不注意が原因と発表

 

そして最近、Uverでも自動運転中に死亡事故を起こしたニュースがありました。下記記事に事故動画がありますが、自動運転でなくても回避することは難しいように感じました。

 自動運転事故動画(Uver)

 

また技術として画像認識を用いて自動運転の実現を行っていますが、画像を誤認識させる技術であるAdversarial Examplesという危険性が実は存在したりします。

 Adversarial Examplesとは

 

やはり気を付けたいことは、今後の将来でどんなに自動運転の性能があがったとしても、必ずしも絶対安全であるというわけではないということを運転者、そして歩行者など周りの人が意識することが大切だと思います。
あくまで自動運転は事故を減らすことができるということで、完全に無くなるわけではないことを理解する必要があります。
現在も日本では交通事故が約50万件、そして死者数は約4000人(世界では約120万人)、少しずつですが減少はしているものの、自動運転と意識を高く持つことで0に近づいていくことができればと思います。