Tech Summit 2018 Day2 (HoloLens, Dynamics365, Power Platform)

「Microsoft Tech Summit 2018」の2日目では、ピックアップした下記について簡単にまとめました。
 ・HoloLens(RS5の新機能)
 ・Dynamics 365 を用いたフィールドワーカーサポート
  (HoloLens + Dynamics 365 + IoT + Power Platform)
 ・
Dynamics 365 Finance and Operationsによる次世代ビジネスアプリケーション基盤構築
  (Azure AI + Power Platform + Dynamics 365 + Office 365)
 ・
サーバレスで作るスマートスピーカー
  (各スマートスピーカー + Functions)

 

HoloLens(RS5の新機能)

HoloLensにはWindows10が搭載されており、間もなくあるRS5のアップデートの新機能で、フィールドワーカーの働き方改革をサポートすることが期待されています。

RS5の新機能の内、下記の説明がありました。
1.画面出力
 Miracast使用で、HoloLens画面をPCの画面に表示
 HoloLensの映像をPCから見ることは以前から可能でしたが、実際遅延があり、映像がかくかくする状態でした。
 しかし、Miracastを使用することで低遅延になりました。

2.共有
 近くにあるPC(Windowsデバイス)からHoloLens間でのドキュメントや画像などを共有
 デモではMicrosoft Edgeで表示しているWebを共有していました。
 HoloLensは文字を打つことが不得意なので、PC側と役割分担ができます。

3.日本語/中国語サポート
 日本語/中国語でOSの表示言語・音声認識・ボイスコマンドに対応
 これは日本のフィールドワーカーの普及には大きなことかなと思いました。
 Air TapやBloomなどのジェスチャーでホログラムを動かすこと(カーソルは視線で行う)は可能ですが、HoloLensのメリットは両手を自由にしながら作業することです。 
 ただ、現場では騒音なども考えられるので、音声認識には Custom Speech Service(今後Speech Serviceの一部へ移行)などで対策する必要があります。

4.認証
 AzureADのアカウントで、PINコードを使用したサインイン
 HoloLensは文字を打ち込むのが不適なので、Passwordなどは厳しかったです。
 また複数人が同じデバイスを利用しやすくなります。

5.デバイス管理・設定
 MDMツールで、デバイスの識別とデバイス名の変更に対応
 プロビジョニングパッケージによる設定に対応
 これにより複数のHoloLensデバイスを一括で管理したりすることができます。

 また以前まで利用できなかった「カメラキャプチャUI」の利用が可能になりました。
 これにより、アプリケーション内でのカメラやビデオのキャプチャをシームレスに実行することができます。

◆HoloLens事例
「MSデモ」
・数値流体力学(CFD)の解析(空気の流れをコンピュータによって数値化して解析すること)
 デモでは暖かい空気と冷たい空気の流れを矢印で可視化していました。
 物のレイアウトを変えた場合に、空気の流れがどのように変わるのか確認することができます。

「JR東」
・Dynamics 365 Remote Assistを使用した作業支援
 Microsoftが提供している遠隔者支援用のサービスです。
 HoloLensとPCのTeamsでビデオ会話をしながら、映像内に矢印や丸で囲むことして、遠隔者の対応を支援します。

・ホログラムによる設備の保守訓練
 線路など実物を訓練センターに持っていくのが大変、コストがかかるものに対して、ホログラムを利用して、保守訓練を行うことができます。

「トヨタ」
・塗装膜厚測定
 車の膜厚を一定の距離ごとに測り、問題がないか確認する作業です。
 HoloLensを使用すれば、一定距離間隔に検査位置をプロットし、測定がスムーズに行うことができます。

・Dynamics 365 Layoutを使用した設備移設事前検証
 Microsoftが提供している遠隔者支援用のサービスです。
 ホログラムの設備を移動させたり、回転させたりして、配置を簡単に最適化することができます。

 

 目に見えないことを可視化できますので、IoTを利用したソリューションや、避難訓練やガス現場などでも利用することができます。
 他にも実際には試すことが難しいことや危険なこと、有名なスポーツ選手など直接見ることのできない人のリアルな動きなど様々なソリューションが考えられます。

実用としてまだ難しい部分もありますが、HoloLens2の発表も噂されています。
また最近ではHoloLensが医療用技術として初めてFDAを取得しました。

 

Dynamics 365 を用いたフィールドワーカーサポート

D365の8つの機能の一つに「フィールドサービス」があります。
またD365には「Coonected Field Service」というAppSourceから無料提供されているマイクロソフトクラウドさ=ビスを組み合わせたソリューションテンプレートがあります。

◆D365を利用したフィールドワーカーサポートの理想的業務
1.リモート監視/サポート予兆保全(D365 + Azure IoT + Power BI)
 IoTデバイス取得したデータの閾値(異常値)を設定し、Stream Analyticsを通してLogic Appsから閾値を超えた場合、オペレーションスタッフに警告の通知
 オペレーションスタッフはD365で作業指示書を作成し、フィールドワーカーの勤務状態からアサインし、予知保全

2.フィル―ドワーカーの発注処理(D365 + PowerApps)
 D365の情報をPowerAppsに連携させて、フィールドワーカーは直接交渉し、アップセル/クロスセルが期待

3.在庫管理、需要予測(D365 + Power BI + Azure ML)
 D365にあるデータをPower BIで可視化、またAzure MLも連携させることで需要予測

4.リモートサポート(D365 + MR(HoloLens) + Teams)
 マイクロソフトが提供している「Dynamics 365 Remote Assist」や「Dynamics 365 Layout」を利用
 D365に作業内容やエビデンスを保存

 

Dynamics 365 Finance and Operationsによる次世代ビジネスアプリケーション基盤構築

デジタル時代に必要な次世代基幹システムとは?
1.業務プロセスの効率化から自動化
 ⇒ テクノロジー向上、労働者減で自動化が必要
2.働き方改革促進のためのコラボレーション強化
 ⇒ コラボレーションより、いつでもどこでもを可能に
3.デジタル時代に対応した迅速な拡張開発
 ⇒ デジタル時代では早い変化への対応が必要
4.あらゆるシステムと簡単に繋がる仕組み
 ⇒ オンプレミスでも他クラウドでも
5.経営情報の可視化・将来予測
 ⇒ データを可視化して、AIを利用した予測が必要

◆業務シナリオ
①D365 FO とAzure AI, Office365を利用した業務シナリオ
 「請求(買掛)業務の自動化」
 OneDriveにスキャンした資料を格納すると自動で請求書データを自動作成(Teamsへ投稿)
 ・Flowを活用して、下記の処理を自動化
 1.月末に大量に来る紙請求書をスキャン(デジタル化)
   メールであれば、そのまま
 2.OneDriveに資料を格納すると、Computer Vision(AI:OCR)で文字認識
 3.文字認識したデータをAzure LUIS(言語理解)で解析
 4.D365にデータを格納
 5.作成した情報をTeamsへ投稿して共有

 誤りがある場合、TeamsでD365と連携させて、Teams上から修正して反映できる

②D365 FO とPowerAppsを利用した業務シナリオ
 「販売管理画面での配送状況画面の追加」
 配送状況画面の追加を素早くしたい
 1.PowerAppsで作成
 2.D365はPowerAppsを組み込むことが可能なので、
   販売管理画面に作成したPowerApps追加
 
 PowerAppsを組み込むためには作成したアプリの「アプリID」と「引数」を設定する必要がある

 「調達申請と予算状況を同画面で把握」
 調達申請と予算状況の二つのアプリを素早く作成して、同じ画面で確認したい
 1.D365にPowerAppsを複数組み込み、並べて配置することが可能
   同じ画面に並べて、利用
 
③D365 FO とPowerBIを利用した業務シナリオ
 「グローバル経営情報ダッシュボード(会計、生産、販売、購買)」
 D365 FO 用のPowerBIテンプレートがたくさん用意されている
 PowerBIのレポートの新規作成、編集がD365 FO内で可能
 Azure MLと連携させて、将来予測も可能

 

DevOpsやアジャイル、デザインシンキングといったように結果を再構築することを考えていく必要がある現在では、PowerAppsは強いなと感じました。PoCでは使えるだろうとは思っていましたが、それ以上に使えるようになっていきそうですね。
ただノンコーディングと言われていますが、作り込んでいくとExcel関数のようなものをコントロールなどに設定しないといけないという少し癖があることや、素早く出来る分、Microsoftが作り込んでない部分は実装しづらい部分が問題としてあるかとは思いますが、今後発展していくテクノロジーの一つかと考えています。

 

サーバレスで作るスマートスピーカー

今後UIとして重要となってくるNUIの一つであるVUIについて
また日本ではCortanaのスマートスピーカーは提供されていませんが、CortanaとAlexaの相互連携機能がパブリックプレビュー(米国のみ)なので、何かしら聞けるかと思いましたが、そちらは何も触れませんでした。

Google Homeでデモを行いました(ClovaもAlexaも簡単に説明されました。)
「前準備」
 Intent(意図)とEntity(もの) ⇒ Entity(何を)Intent(したいか)を設定
 Intentについて
 ・起動時に呼ばれる「Default Welcome Intent」の設定
 ・Intentが増えれば対話のパターンが増える
 ・各Intentは「Training phrases」にて学習
 ・会話終了のIntentも必要(ただし、デフォルトで「キャンセル」で終了はある)
 作成したFunctionsは「Fulfillment」のWebhookでURLを設定

「処理の流れ」
 1.Google Assistant
 2.Dialogflow(マイクロソフトでいうLUIS:言語理解)
 3.Azure Functions(HTTPリクエストをトリガー)
   JSONを返して、回答を得ます

他のスマートスピーカーとの実装の違いはJSONの形式が統一されていないだけなので、
それ以外は共通化して利用することができます。

 

話は少し逸れてしまいますが、フォームファクターについて
現在はスマートスピカ―に車輪が付いたり、液晶が付いているものも出ています。
ビジネス要件によっては、そのようなものとの連携も必要になるかもしれません。
またドローンであれば、Kinect for Azureが発表されていますので、今後Cortanaが利用できるかと考えています。

 

 

他のセッションについては、下記をご覧ください。

 Microsoft Tech Summit 2018に参加 (Tech Summitとは)
 Tech Summit 2018 Day1 (Igniteハイライト AI, IoT, ビッグデータ)
 Tech Summit 2018 Day3 (Azure Functions, Dureble Functions)